圧迫面接を乗り切るための対処法と質問例。圧迫面接を行う理由とは?
圧迫面接の意図を知れば対処できる! なぜ企業は圧迫面接をするのか? 面接官が威圧的な態度をとり、嫌味な発言や答えに困る質問を繰り返す「圧迫面接」。面接される側は困ってしまいますが、なぜあえて圧迫面接を行う企業があるのでしょうか。それは、応募者に「ストレス耐性」と「臨機応変な対応力」があるかどうかを見極めたいという場合があるのです。ビジネスシーンでは、お客さまからの理不尽な要望やクレームへの対応、成果に対するプレッシャー、職場内の人間関係など、ストレスがかかる状況が想定されます。そうした状況に直面しても、機転を利かせた対応で乗り切り、適応できる素養があるかを面接という短い時間の中で見極めるために、マニュアル通りの回答ができないような圧迫をかけ、表情やしぐさ、切り返しなどをチェックしているのです。上記を踏まえ、万一そんな圧迫面接に出合った場合の対処法や対策を学んでいきましょう。 1.圧迫面接の例……面接官はどんな圧迫をかけてくる? では、面接官は具体的にどんな「圧迫」をかけてくるのでしょうか。代表的な例として、面接官が以下のような態度の際は、圧迫面接である可能性が高いと考えられます。 応募者の経歴や発言に対し、否定的な発言ばかりを投げかける 「なぜ?」「ほかにないの?」と、質問をしつこくたたみかける 応募者の発言に対して、「ふーん」といった気のないリアクションに終始する あくび、ほお杖など、いかにも興味がなさそうな態度を取る 面接中にもかかわらず、携帯電話やパソコンをいじる 上記のような対応をされても決して焦ることなく、「これは圧迫面接だ」と割り切ることがポイントです。 2.【圧迫面接対策】これだけ押さえれば大丈夫! 圧迫面接の対処法 圧迫面接に、特別な準備は必要ありません。大切なのは「平常心を保ち、落ち着いて明るい対応を心がけること」。これさえ踏まえておけば、圧迫面接を恐れる必要はないのです。では圧迫面接に直面したら、具体的にどう対処すればいいのか。その前に、まずは「避けるべき対応」からひもといていきましょう。 ≪圧迫面接で避けるべき対応≫ イライラした態度や表情を見せてしまう 回答に窮し、沈黙してしまう 面接官の発言に食いつき、反論してしまう 圧迫面接で面接官の挑発に乗ってこうした態度を取ってしまうと、「感情のコントロールができない」「ストレスに弱い」といった判断をされてしまいかねません。言い換えれば、こうした態度を見せない対応が、圧迫面接を乗り切るポイントです。 ≪圧迫面接の対処法≫ 表情や態度に“負”を見せない 回答に困る質問をされると、つい表情がこわばったり、眉間にしわが寄ってしまったり、負の表情や態度が出てしまいかねません。 しかし、そうした表情や態度の変化こそ、面接官は注意深く見ています。圧迫をかけられても「見られている」ことを忘れず、一つひとつの表情や態度にも「明るく」「前向き」を意識するようにしましょう。 面接官は「威圧的なキャラクターを演じている」と考える 面接官全員が、圧迫面接をしたくてしている訳ではありません。仕事上、「無理をして意地悪な質問や態度をしている」、つまり役割として演じているのです。「私の対応力を見極めるために演技しているだけで、普段はいい人なのかもしれない……。」そう捉えて気持ちを楽にし、圧迫面接に遭っても冷静な受け答えができるように落ち着いてください。 面接官の指摘を否定せず、いったん受け止める 面接官があなたを否定する発言をしても、「そんなことはありません」と突っぱねてしまうのはご法度です。 例えば「転職回数が多いね。辛抱が足りないんじゃない?」と嫌味を言われた際。「ご指摘のとおりです。ただ、決して逃げ出したのではなく、前向きなキャリアステップとして転職を重ねてきました」と、面接官の指摘をまずは受け止めたうえで、自分なりの考え方を伝えるように心掛けましょう。 「なぜ?」の繰り返しに対応できるように準備 「なぜうちの会社を選んだの?」「なぜ転職回数が多いの?」「なぜその経験が生かせると思うの?」 そんな「なぜ?」の攻勢にも対応できるように、志望動機や自己PR、職務経歴などについて深堀りされそうなポイントを洗い出し、想定回答を準備しておくことも、本番で焦らず冷静に対応するためには必要です。 圧迫面接対策のために、家族や友人に繰り返し「なぜ?」と質問してもらい練習することも効果的です。 ブラック企業の圧迫面接に、効果的な対処法とは? 圧迫面接=(イコール)ブラック企業ではありません。しかし一部の企業では過度な業務量をこなし、クレームやプレッシャーにも耐えられる人材を採用するために、圧迫の度合いが高まる可能性があります。また、面接官のモラルを欠いた質問や態度が目立つようであれば、企業体質も良くないことが考えられます。 ほかにも「待遇が求人票と異なる」「業務内容や会社業績について尋ねても曖昧な返事をする」「離職率や労働条件に関する質問を嫌がる」「面接時間が極端に短い」などもブラック企業の面接でありがちな特徴です。後で後悔しないためにも、面接でしっかり見極め、内定を得たとしても、入社するかどうかを十分に検討してください。 ≪ブラック企業でありがちな圧迫面接の質問例≫ うちは厳しいけど、君に務まると思う? どうせすぐに辞めるんでしょ? 君の考えは甘いんだよね 君はうちに向いてないよ 話が下手だよね ありふれた答えだね。もっとほかにないの? 身体は強いの? 今付き合っている人はいるの? 結婚して辞められると困るんだけど お父さんの職業と年収は? 一発ギャグで笑わせてよ 三流大学出身だね、何か学んだの? 家族に関する内容や、性別にかかわる質問は、就職差別につながり本来面接で聞いてはいけないとされています。圧迫面接では、それらの事柄に踏み込んでくることも考えられますが、その場は一旦、冷静さを失わずに対応することを心掛けてください。個人情報やプライバシーにかかわり、答えたくない質問には「申し訳ございませんが、お答えできません」と丁重に回答を断るなど、最後まで落ち着いて乗り切りましょう。 3.圧迫面接の対策法まとめ ≪圧迫面接とは≫ 面接官が圧迫面接で見ているのは、「ストレス耐性」と「臨機応変な対応力」 面接官の発言に対してイライラした態度や沈黙、反論などはご法度 逆に落ち着いた回答さえすれば、ストレス耐性や対応力の点で高評価につながる ≪圧迫面接の対処法≫ 小さな表情の変化も見られているので、前向きな姿勢で明るい表情を保つ 面接官の発言を否定せず、受け止めたうえで自分の意見を伝える